食物繊維は、妊娠しやすい体質になるために大切な栄養素なのです。
妊娠するためには、「良い卵子」「栄養たっぷりのふかふかの子宮」が絶対的に必要です。
良い卵子や子宮環境ができる体質になるためには、血流を良くし、良い栄養素を卵巣や卵子、子宮まで運ぶ必要があります。
その血流を良くする手助けをしてくれるのが食物繊維が豊富な食べ物です。
妊娠と食物繊維の関係や効果、食物繊維の含有量が多い食べ物をまとめました。
妊娠と腸の関係ついて
子宮や卵巣に栄養を届ける大事な役割の血液は、実は「腸」で作られます。
血液を作る「腸」を綺麗にするには食物繊維が必要です。
食物繊維を摂ることで腸内環境を整えられます。
便を柔らかくし、かさを増し、便秘を予防したり改善してくれ、腸内の有用菌を増やします。
妊娠を妨げる「糖化」を防ぐ食物繊維
食物繊維には糖の吸収を抑える作用もあります。
糖の急激な吸収で卵子の老化を早めてしまう『糖化』が起こります。
糖化とは、分かりやすく言うと「焦げる」ことです。
糖質のせいで、カラダの細胞(タンパク質)が体温で焦げ、劣化してしまうのです。
血糖値を急激に上昇・下降させる食物(高GI食品)が好きな方は、それを食べる前に食物繊維を摂ることで、血糖値をコントロールできます。
できるだけ血糖値を急激に上げない食品、つまり「底GI食品」を選ぶようにしましょう。
血糖値を急激に上げてしまう「高GI食品」の代表的なものは、白ご飯、食パン、うどん、白砂糖です。
要するに、白い食べ物です。
皆さん好きですよね?
食物繊維を先に食べることで、血糖値の上昇を緩かにしてくれるので、血糖値の急上昇による細胞の劣化(糖化)現象を抑えることができるのです。
つまり、食物繊維を積極的に食べることで、卵子の劣化を防ぐことに繋がります。
卵子の質が良いと、受精後の細胞分裂がうまくいき、着床もしやすくなるのです。
そこで、食物繊維を多く含む食品、代表的な料理を調べてみました。
食物繊維を多く含む食品TOP10とその量(根拠のデータ元も)
1、芋・でんぷん類
文部科学省の食品成分データーベースによると、食物繊維が一番含まれているのは、いもやでんぷん類で100gあたり79.9gとなっています。
2、きのこ、粉寒天
次いで、きのこ・粉寒天となり、この2つはそれぞれ79.0gを超えています。
ですが、同じきのこでも、乾燥したきくらげとホンシメジでは約45gもの差があり、一概にきのこ全てが豊富に含まれているわけではありません。
3、乾燥きくらげ
「日本食品標準成分表2015」でさらに比べてみると、乾燥したきくらげが57.4gとなっております。
4、乾燥ひじき
海藻に関しても最も多いのが乾燥したひじきの43.3gに対し、乾燥した昆布は27g程度となっているので、より多く食物繊維を摂るには、ひじきのほうが良いと言えます。
5、干し椎茸
6位、焼き海苔
7位、わかめ
8位、昆布
9位、切干し大根と続きます。
10位以降は、インゲン豆・ささげ・あずきと豆類が続きます。
意外と野菜類は少なく、ひき割り納豆も5gほどしかありません。
果物であれば、ドライいちぢくが10.9gと多めですし、野菜類であればグリーンピースが7.7gほどとなります。
食物繊維と合わせて摂ると吸収のよい栄養素とは?
食物繊維は腸の中の環境を良くしてくれますから、一緒に摂るとより効果がでるのは乳酸菌です。
乳酸菌はヨーグルトや、キムチ、ぬか漬けといった発酵食品に多く含まれており、食物繊維同様、腸内環境を整える作用があります。
そのため乳酸菌を摂ることによって腸の中がすっきりとし、食物繊維の良い部分が生かされてきます。
実はキムチには、ヨーグルトと同じくらいの乳酸菌が含まれています。
味噌や塩麹、ぬか漬けの乳酸菌はは植物系乳酸菌で、胃酸に強い性質を持っていますので腸まで届きます。
もしヨーグルトと一緒に摂るのであればドライフルーツと合わせると良いでしょう。ドライフルーツにも食物繊維が豊富に含まれているので吸収が良くなります。
ヨーグルトに砂糖などの甘味料は加えないでください。
ドライフルーツは果物を乾燥させたものであるので果糖が含まれており、糖分の摂りすぎになってしまうので、注意が必要です。
しかし、日本人は乳製品(カゼイン)を分解できない人が多いので、ヨーグルトは逆に腸内環境を悪くしてしまう恐れがあります。
なので、できればキムチ、味噌、麹と合わせて食物繊維を摂ることをオススメします。
チゲ鍋や、豚汁などは、効率よく簡単に食物繊維が摂取できます。
食物繊維の最適な調理法や食べ方とその理由
食物繊維は水溶性と脂溶性に分かれます。
『水溶性』
水に溶けるので腸の中ではどろどろとしたゲル状になります。
ゲルはつるんとしていますから、一緒に食べたものを、いつまでも腸の中に留まらず排出を促します。
『脂溶性』
水に溶けずに水を吸収するので腸の中で膨れ刺激をし、排便を促しています。
そのため食物繊維と一緒に食べた余分なものも取り込んでくれるので血糖値が上がりにくくなるのです。
なので、そのどちらもバランスよく摂取することが大切です。
肉類など脂っこいものを食べたとき、血糖値が急上昇します。
肉類は栄養素として優れていますが、摂りすぎには注意しなくてはなりません。
ですが、どうしても食べたい時は食物繊維と一緒に摂ると良いでしょう。
調理法としては焼く、煮るといった火を通す調理を行います。
乾燥した海藻、椎茸、大根などに食物繊維は多く含まれますから、乾物は、一旦水で戻して、煮物や炒め煮、汁物などに使います。
オクラなどの野菜にも豊富に含まれているので、あえ物に海藻とオクラの酢の物などを添えたりするだけで食物繊維が摂れます。
気軽に食べたい時は、調理しなくて良い、もずくやめかぶといった海藻類でも大丈夫です。
お豆腐やわかめの入ったお味噌汁でも十分に食物繊維を撮ることができます。
食物繊維を使った代表的なメニュー3つをご紹介
食物繊維を使った代表的なメニューには、9位にランクインした切り干し大根。
優しい味でたくさん食べれますね。
昆布や人参にも食物繊維が含まれていますし、意外と簡単な調理法でできますので是非トライしてみましょう!
次は「いも煮鍋」です。
出汁と醤油のあっさり鍋。
1、2位にランクインした芋ときのこが一気にたくさん食べれます。
「筑前煮」は、昔からある料理で、根菜類と鶏肉、こんにゃくが含まれている煮物です。
しっかりとした味に思うかもしれませんが、実は干しシイタケや根菜類から出る野菜の風味や旨味がきちんと出ているので、塩分はそれほどなく、体に優しい食べ物です。
体を温めることができる食べ物なので一石二鳥の食べ物ですね。
まとめ
着床しないということは、子宮や卵巣にきちんと栄養が届いていないということです。
まずは、その栄養を届ける「血液」を綺麗にしましょう。
血液を綺麗にするには、腸を綺麗にする必要があります。
そのために、食物繊維を積極的にとり、腸内環境を整えましょう。