女子のおしゃれアイテム『ジェルネイル』
聞いたことあるけど、今更恥ずかしくて聞けない『ジェルネイル』の素朴な疑問の代表的なものを、ネイリスト歴12年のネイル講師が解説していきます。
この記事ではジェルネイルの、以下「7つの疑問」について書いています。
- 『ジェルネイル』と『マニキュア』って何が違うの?
- ジェルネイルすると『爪が強くなる』ってどういうこと?
- 『ソークオフジェル』と『ハードジェル』の違いは?
- 爪が短くても、ジェルネイルはできるの?
- ジェルネイルはどのくらい持つの?
- 『爪が痛む』ってホント?!
- マニキュアとジェルって一緒に使える?
ジェルネイルはマニキュアよりなぜ人気なのか?人気の秘密をネイリストが解説
ジェルネイルとは、水飴みたいな『とろ〜』としたアクリル樹脂を、爪の上に塗って専用のライト(UV/LED)で固めてできたものです。
光で固めるので、マニキュアと違って自然乾燥ではありません。
ジェル専用ライトで約20秒(LEDの場合)照射すれば固まるので、マニキュアのように乾くまで時間がかかり、夜塗って寝ている間にヨレたりする心配がありません。
また、ジェルは素材が『アクリル』なので、マニキュアより強度があり、3週間〜1ヶ月半くらい長持ちします。
もともとジェルネイルは『フローター』と言って、自爪の補強をするために使われていました。
今ではカラージェルの種類が増え、ジェルでアートする技術や商品が改良され、現在のようにジェルネイルでの「爪のオシャレ」ができるようになったのです。
『ジェルネイル』と『マニキュア』って何が違うの?
・素材
・固まり方
・乾く時間
この3つのジェルネイルとマニキュアの違いをまとめました。
ジェルネイルとマニキュアの素材の違い
ジェルネイルは、アクリル樹脂です。
アクリル樹脂は、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルの重合から成り立っており、巨大な水槽にも使われているくらい、プラスチックの中で最も耐久性に優れていて、透明性を保っている素材です。
アクリル樹脂には、紫外線で硬化する「光硬化性樹脂」と呼ばれるタイプのものがあり、ジェルネイルと同じく、紫外線で硬化するその性質を利用して、歯科やアクセサリーなど造形剤としても利用されています。
マニキュアは、塗料です。
ネイリストは「ネイルポリッシュ」と呼びます。
工業用などのラッカー塗料とほぼ同様で、原料はアクリルやニトロセルロースなどの合成樹脂に着色したものです。
ペンキと同じなので、「塗る」感覚です。
ジェルネイルとマニキュアはどうやって固まるのか?それぞれの硬化の違い
ジェルには『光重合開始剤』と言うものが含まれていて、専用の光を当てることによって液体を固体に硬化させます。
※硬化とは、柔らかい物質が化学的な作用によって硬くなっていくことを言います。
ジェルは、紫外線やLEDライトに当てない限りは、固まりません。
ジェルは、色を混ぜ合わせて専用の容器に入れて光が当たらないところに置いておけば、とって置くことができます。
マニキュアは、自然乾燥で固まります。
ジェルネイルは専用ライトに入れて固めない限り、何度でもやり直しができますが、マニキュアは自然乾燥で固まるので、やり直しができないのです。
ジェルネイルとマニキュア乾くまでのそれぞれの時間
『ジェルネイル』は、
・LEDライトに当てると30秒、
・UVライトで約2分
で完全硬化します。
固まった後は、お皿洗いしてもマニキュアみたいに寄れたり取れたりしません。
『マニキュア』は、
速乾剤を使っても約3時間はみておいた方が良いです。
表面は乾いていても、中の方はまだ完全に固まっていなくて、指で押すと指紋がついたり、そのまま寝てしまって布団の跡がついたなど経験あるかと思います。
ジェルネイルすると『爪が強くなる』ってどういうこと?
ジェルは、アクリル樹脂なので、硬化すると強度があります。
これは、歯医者や車の塗装の技術でも使われており、ジェルネイルも、最初は自爪の強化のために使っていました。
爪が割れたり、折れたりするのを防ぐために、アクリルで爪をコーティングすることで、強くします。
いつもの自爪なら、2㎜ほど伸びると折れてしまうという方も、ジェルネイルをすることで、折れることなく爪を伸ばすことができるのです。
ジェルネイルは、爪が弱くて割れやすい方におすすめです。
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『ソークオフジェル』と『ハードジェル』の違いは?
『ソークオフジェル』は、ソフトジェルとも言います。
柔軟性があり、自爪の補強に適しています。
また、溶剤でオフすることができます。
『ハードジェル』は、強度があり硝子のような艶が特徴です。
主に、爪を人工的に長く作るときに使います。
しかし、オフする時は溶剤に溶けないので、ファイル(爪やすり)で削って落とさなければいけませんので、知識や技術がないと、健康な自爪まで削ってしまう危険があります。
爪が短くても、ジェルネイルはできるの?
爪が短くても、ジェルネイルはできます。
ジェルネイルは、基本的に自分の爪の長さのまま、その上に塗って施術をします。
長さが欲しい時は、「スカルプチュア」と言って人工的に長さを作る技法があります。
なので、短くてもジェルネイルができないわけではありません。
しかし、ギリギリまでカットした爪だと、爪先(爪の厚み部分)にジェルを塗ることができないので、爪先から剥がれやすい傾向はあります。
ジェルネイルはどのくらい持つの?
マニキュアは、どんなに綺麗に塗っても2、3日、持っても1週間くらいで爪先から剥がれてきてしまいます。
ジェルネイルは、きちんとケアをして正しく付ければ、2週間〜約1ヶ月以上持ちます。
1ヶ月ほど経つと、爪の根元から自爪が見えてきて、ジェルネイルが付いているところがだんだん上がってきます。
ジェルと自爪の密着面のバランスも崩れてくるので、1ヶ月ほどで新しく付け替えすることをお勧めします。
ジェルネイルは『爪が傷む』ってホント?!
マニキュアの場合は、塗る前に爪磨きをしてツルツルな状態にしてから始めると、仕上がりが綺麗になりますが、
ジェルネイルの場合は、ジェルを塗る時に、サンディングと言って、爪表面に軽く傷を入れます。
なので、頻繁にジェルネイルの付け替えをしてしまうと、爪にダメージを与えすぎて薄くなってしまいます。
付け替えは、最低でも3週間は間隔を空けて、正しくネイルオフやケアをすれば、健康な爪の状態でいられます。
マニキュアとジェルって一緒に使える?
【素材が違うので併用しません】
また、マニキュアの上にジェルネイルを塗っても、マニキュアが完全に乾いていなければすぐに取れます。
しかし、マニキュアのラメなどを、ジェルネイルのアートの部分的に使うことはできます。
【緊急時の対処でマニキュアを使うことも】
完成したジェルネイルの上からであればマニキュアを塗ることはできます。
除光液で拭けば、マニキュアだけ取れてジェルは綺麗なまま残るので、派手なネイルを一時的に隠したい時など、マニキュアを使うといいですよ。
ジェルネイルは、ジェルネイルオフ専用の溶剤(ジェルリムーバー)を付けて、10分ほど放置しないと落ちません。
なのでジェルネイルは除光液で拭いただけでは取れないのです。
ジェルネイルを扱う時に注意すること5つ
ジェルネイルの扱いには注意が必要です。
特に気をつけなければいけないこと5つを紹介します。
ジェルネイルをする時は、光(紫外線)に注意
ジェルを硬化する専用ライトの入り口前に、ジェルや筆を置いて作業してしまうと、光が当たって固まってしまいます。
ジェル専用ライトはテーブルの端に置いて、手を入れる入り口付近には何も置かないようにしましょう。
また、紫外線にも反応してジェルが固まってしまいます。
窓際ではジェルネイルの作業をしないようにしましょう。
ジェル専用ライトの光は強いので、あまり直視しないようにしましょう。
ネイル用品の溶剤の捨て方
ネイルで使う溶剤は、アクリルを溶かしてしまったりするので、絶対に『シンク』などに流してはいけません。
溶剤は、ペーパーなどに吸わせ、ビニール袋に入れてから捨てましょう。
アクリルリキッドなど、匂いが強いものもあります。
匂いが漏れないように、しっかり密封してゴミ箱に入れるようにしましょう。
ネイルをする前に必ず消毒をする
爪が緑色に変色してしまう「グリーンネイル」という爪の病気があります。
痛みなどは全くなく、最初は黄色っぽい爪の色ですが、だんだん黄緑、モスグリーン、ひどい時は黒っぽく変色してしまいます。
これは、ジェルネイルを塗る前に爪の消毒をしていなかったために、爪に付いていた緑膿菌が増殖してしまったことが原因の1つです。
梅雨時期の湿度の高い時期や、体調不良による免疫低下でも起こりうるので、少しでもリスクを減らすために、ジェルネイル専用のクレンザーで必ず爪表面の消毒をしましょう。
また、キューティクルニッパーやプッシャー、ダストブラシなどの皮膚に触れる物も、使用する前に必ずエタノールで消毒しましょう。
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ネイルをする時は必ず換気をする
安全に楽しむために、しっかり確認しましょう。
ジェルを塗る前に爪表面を消毒するジェルクレンザーや、ジェルネイルをオフするときに使うジェルリムーバーは揮発性の高い溶剤です。
※揮発性とは、熱を加えなくても液体が気体になって空気中に飛び散ることです。
定期的に換気をするか、換気扇のある部屋でしましょう。
ネイルをする時の粉を吸い込まないようにダスト対策をする
爪を削ったり、ジェルネイルのオフでアクリルを削った時の、細かい粉を吸い込んでしまわないように、マスクや集塵機、空気清浄機、こまめに掃除機をかけるなどのダスト対策をしっかりしましょう。
爪はタンパク質の一種であるケラチンでできており、それを吸い込みすぎるとアレルギー発症する可能性があります。
ジェルネイルを削った粉はアクリルなので、それもまた吸い込んでしまわないように、注意しましょう。