スカルプチュアをするために必ずぶつかる壁『ネイルフォームをつけられない・・・』
爪とフォームに隙間ができたりとか、うまく合わないとか、スカルプの裏漏れで悩む、苦手な方が多いと思います。
ネイルフォームを付けれないことには、スカルプができない…
簡単そうに見えて、やってみると意外と大変(汗)
でもちょっとしたポイントをおさえておけば大丈夫!
では、その「ネイルフォームを装着するコツ」をネイリスト歴12年のネイル講師が解説していきます。
こんな方におすすめ
- フォームのカットがうまくできない
- フォームと爪の間に隙間ができる
- まっすぐに付けられない
- 角度がわからない
スカルプって何?
スカルプとは「スカルプチュアネイル」と言って、人工爪のことを言います。
ネイルフォームを使って長さ出しをする方法です。
フォーム以外には、爪先にネイルチップを付けて、その上からジェルやアクリルで厚みを作る「チップオーバーレイ」も人工爪です。
スカルプチュアは主に2種類があります。
・アクリルパウダーとアクリルリキッドを使う「アクリリックスカルプチュア」
・ジェル状のアクリル樹脂を使って専用ライトで固める「ジェルスカ(ジェルスカスプチュア)」
アクリルを使った人工爪を「スカルプチュア」、ジェルを使った人工爪を「ジェルスカ」と呼ばれることが多いです。
そのスカルプチュアをするために必ずぶつかるのが『ネイルフォームの正しい装着』という壁です。
ネイルフォームを正しく付けれないことには、綺麗なスカルプに仕上がりません。
このフォームの上にジェルやアクリルを乗せるので、フォームが斜めに装着されてると、歪んだ形にスカルプチュアができてしまいます。
なので、このフォームの装着はとても大事な作業なのです。
ネイリスト検定1級やジェルネイル検定上級を受ける方は、トップネイリストになるための登竜門です。
そもそもネイルフォームは合わないのが普通
フォームは、イエローラインに合わせてカットします。
イエローライン(黄線)とは、爪の皮膚にくっついている部分と離れている部分の境目のことを言います。
このイラストで言うと「黄線」の部分のことです。
イエローラインは人それぞれ形が違います。
指によっても異なります。
反り爪さんや、深爪さんの付け方にもコツが必要です。
このイエローラインが深めのカーブだと、フォームが当たってストレスポイントまで届きません。
また、イエローラインにフォームが当たると痛いです。
特に一番先端のトップのところが当たると痛いので気をつけましょう。
なぜフォームをカットするのかと言うと、ストレスポイントまでフォームを入れたいのに、イエローラインに当たるから『入らない』、だから当たる部分を切ってストレスポイントまで『入れる』と言うことなのです。
フォームをイエローラインに合わせてカットする
「イエローラインに当たるからフォームが入らない」と分かったら、当たる部分をカットします。
フォームをカットする手順
フォームの丸いところを取って、そのまま裏に貼り付けます。
そうするとフォームがしっかりして、切りやすいです。
また、しっかりすると形が崩れにくく装着がしやすくなります。
ストレスポイントまでフォームを入れるとすると、どのくらいの深さでカットしたらいいのか、おおよその想定をします。
「だいたいこの辺りかな?」と想定し、深さをメモリ1個分くらいだと確認します。
次に、幅を確かめるために、爪の上からストレスポイントまでもってきたところで印を付けます。
爪で押さえると、フォームに折れ目がつくので、それが印です。
その印よりも内側を切ります。
印よりも外側を切ってしまうとストレスポイントに入らなくなってしまいます。
印を付けた幅の中で、先ほど想定した深さでカーブを描きながらカットします。
そして一旦爪に合わせたら、カーブの具合を確かめながら微調整します。
ハサミの使い方
ハサミは、フォームの下から入れて、フォームを動かしながらやると、カーブの形に切ることができます。
シールの粘着がハサミにつくと、切れにくくなるので、使った後はエタノールを付けたティッシュで刃を拭きましょう。
フォームの付け方のポイント4つ
イエローラインに合わせてカットできたら、いよいよ装着です。
4つのポイントを抑えながらやっていきましょう。
1、フォームの持ち方
人にやってあげる時は、両手でフォームの羽根を持ちます。
羽根のぎりぎり外側を持つのがコツです。
ですが、セルフでやる場合はちょっと違います。
あらかじめフォームに丸みを付けておいて、その丸みに人差し指を入れて、親指と中指でフォームの外側を押さえます。
そうすると、フォームの丸みを保ったまま爪に持っていくことができます。
2、ストレスポイントから狙う
丸みを保ったまま、まず狙うところは「ストレスポイント」です。
ストレスポイントに、ぐっと差し込みます。
そこから合わせていくとピッタリ爪の内側に合ってきます。
3、フォームの羽をぴったり重ねる
両側の羽根を綺麗に合わせるとフォームがまっすぐにつきます。
このように、指に対してまっすぐつけることができます。
羽根を合わせる時にズレていると、指に対しても斜めになってしまいます。
4、角度
横からみた角度にも注意しましょう。
フォームにラインが書いてありますが、一旦これは無視して、少し遠目にして見てください。
指に対してまっすぐフォームが付いているかを確認します。
出来上がりの形を想定して、全体的にまっすぐ伸びてるようにフォームを付けましょう。
ネイルフォームを隙間なく装着する5つのコツ
爪とフォームの間に隙間があると、そこからジェルが流れたり、段差ができやすかったり、仕上がったときに引っかかる感じがしたりします。
引っ掛かりがあると、そこからリフトしやすくなり、持ちが悪くなるので注意しましょう。
では、隙間をなくすための5つのコツを抑えておきましょう。
1、自爪を短く整える
反り爪の方は特に、自爪を短く整えましょう。
「爪が生えてる角度」と「作りたいスカルプの角度」が合わないことが多いのです。
そうするとフォームと爪の間に段差が生じます。
爪を短く切っておくと、その段差が最低限で済むので、この後ジェルやアクリルを乗せる時にやりやすいのです。
2、あらかじめフォームに丸みを付けておく
この写真くらい思い切って、フォームに一旦丸みを作っておきます。
この時にまっすぐな縦のラインに沿って丸みを付けます。
そうすると、爪の丸みに沿って装着しやすくなります。
3、ストレスポイントにフォームを入れる
ストレスポイントの内側にフォームが引っかかるように押し込みます。
もしここでフォームが入らなければ、一旦フォームを外してその部分を少しカットします。
切る範囲が狭かったと言うことです。
丸みが強い爪の形の人は、思った以上にフォームの幅も深さもあります。
慣れてくると、だいたいこのくらいかなと想定できますが、最初の頃は「こんなに切っても大丈夫?」と思うかもしれません。
ストレスポイントにフォームが入ってないと、スカルプのサイドストレートがカギになってしまいます。
もしくは、爪の形状上ストレスポイントに入らなければ、ストレスポイントあたりの皮膚をしっかり巻き込んで、皮膚が盛り上がらないようにします。
しっかりした硬めのフォームで羽根が大きめのものを選ぶと良いでしょう。
4、爪の内側に添わせる
ストレスポイントに差し込んだら、人差し指でフォームを持ち上げて爪の内側に添わせます。
この時に、ストレスポイントに差し込んだフォームがズレないように、親指で軽くフォームを押さえておきます。
5、皮膚を押さえる
ストレスポイントにフォームがしっかりハマり、爪の内側にもピタッと添わせたら、親指でフォームをしっかり押さえて、人差し指を抜きます。
深爪の方は特に、この時にフォームが皮膚に押されて取れやすいので、親指でしっかりフォームを押さえたら皮膚を巻き込んでフォームをピタッと合わせます。
下に滑らして皮膚を挟むようにフォームを付けましょう。
スカルプのフォームに代用できるもの
爪先5㎜以下の短かめスカルプだったら、シールでも代用できます。
爪よりも大きいシールなら代用できます。
できれば少し厚みのあるものが使いやすいです。
100均のラッピングコーナーにあるシールを使ってみました。
このように爪の下に入る大きさなら代用できます。
この写真は、欠けた爪のリペアをした時のですが、スカルプにも使えます。
フォームなしで長さ出しする方法
最近では、フォームを使わなくてもスカルプができるジェルがあります。
チップの裏側にジェルを塗って爪の上に置き、そのままライトで硬化するという画期的なものですね。
プレパレーションは同じようにやります。
プレパレーションとは、ジェルを塗る前の甘皮処理や爪を整える作業のことを言います。
一見簡単そうに見えますが、自分の爪に合うようにチップを加工したりするので、少し予備知識が必要です。
しかし、どうしてもフォームがうまく付けられない方にはオススメです。
スカルプの裏から漏れる
フォームの装着ではこんな相談が多いですね。
ジェルスカルプの裏漏れについて
ジェル上級の練習中なのですが、モデルさんの爪がホチキス気味です。
フォームをかけても、ちょうど角の所に隙間が出来てしまい、そこから裏漏れしてしまいます。
※yahoo!知恵袋より
ホチキス型の爪は、正直フォーム付けるのが難しいです。
フォームを入れ込むのがコツです。
思ってる以上にカーブがあるので、フォームのカットが結構深くなります。
そしてフォームを装着した後に、皮膚側から爪の下にフォームを押し込みます。
そうすると、フォームが爪の内側に沿って、ホチキス型の爪にも合ってきます。
ジェルはテクスチャーの固いものを選ぶと漏れにくいです。
きちんとフォームを装着した時の施術例
深爪になってても、きちんとフォームをつけることができれば、自爪と変わらないスカルプが作れるようになります。
写真のように、スカルプの爪も自爪にジェルネイルをしたところも、見た目がほとんど変わりません。
この方は、結構皮膚が盛り上がってる深爪さんです。
でも、ちゃんとフォームを付ければ、このように自然な爪の形にスカルプを作ることができます。
逆に、このくらい長いロングスカルプも、フォームをちゃんとまっすぐに付けてないと綺麗に仕上がりません。
長いので、フォームを斜めに付けてしまうと、より目立ってしまいます。
爪に対してではなく、指に対してまっすぐに付けるのがコツです。
そのためにも少し離れて見るのがポイントです。
近くで見ると斜めになっているのが分かりにくいので、遠目で見るようにしましょう。
まとめ
スカルプを綺麗に作るためには、フォームの装着がすごく大事なのです。
4つのポイント
・フォームの持ち方を変える
・ストレスポイントから狙う
・フォームの羽根をピッタリ重ねる
・フォームの角度は指に対してまっすぐを意識する
5つのコツ
・自爪を短く整える
・あらかじめフォームに丸みを付けておく
・ストレスポイントにフォームを引っ掛ける
・爪の内側にフォームを添わせる
・フォームで皮膚をしっかり押さえる
この9個のポイントとコツを抑えて、思い通りにフォームを付けれるように練習しましょう。